2022 佐渡国際トライアスロンBタイプ 総合3位 レースレポート

トライアスロン
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佐渡国際トライアスロン大会が3年ぶりに開催。Bタイプ(SWIM 2.0km, BIKE 108km, RUN 21.1km: 896名)に初出場してきました。

結果としては予想タイムを10分以上上回るタイムでゴールしてまさかの総合3位、人生初の表彰台。これまでエイジ入賞さえ叶わなかったので、総合入賞できたことに自分が一番驚いた。メジャーな大会で入賞でき感無量です。

下記、備忘録としてレース準備とレースについて振り返り、レースレポをまとめておく。

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準備編

トレーニングについて

ミドル以上の距離ではバイクが強くないと話にならないため、トレーニングの半分以上はバイクに費やす。バイクはトライアスロンを再開した2020年頃から今年の3月頃まではTrainerRoadを使用し、高強度インターバルをメインに週のトレーニングを組み立ててきたが、FTPは2021年中盤から頭打ちとなり完全にプラトー状態。

このままではダメだと感じ、ベース・ビルディング・フォー・サイクリストやTraining for the Uphill Athlete、How to skate a 10k(10kmスケートの世界記録保持者が書いた無料のPDF、英文ですが必読です)等を参考にして低強度(Zone 0〜Zone 2)で8〜9割のトレーニングを行う方針に変更。レース直前まで基礎構築期のようなメニューを続けてきた。ほぼ低強度メインのためボリュームも増やし、3種目合計で週15〜20時間程度はトレーニングに費やす(このうちバイクは55~60%程度だった)。

トレーニング指標も、FTPではなくAeT(Aerobic Threshold)パワーでの有酸素持久力乖離幅(Aerobic Endurance Decoupling)のように、あくまで有酸素持久力の能力推移に焦点を当ててトレーニング効果をモニタリング。低強度トレーニングを続けていくと、同じパワーでの有酸素持久力乖離幅がじわじわと改善されていくのがわかり、地味なトレーニングではあるものの確実に効果があることがわかった。あとは低強度での効率係数(EF)も併せて推移を記録。この値もベーストレーニングを積み重ねるにつれてじわじわ向上していくのがわかった。

ランについては、まとまった時間はほぼバイクに注ぎ込んだため、通勤と週一のロングランで月200km程度。こちらもほぼジョグのみで、たまにWSとレース直前にレースペース走を行った程度。

スイムは週3、週1で必ずロングスイムを入れ、インターバルは長めのインターバルを多く取り入れた。基本的には苦しいインターバルを多くやるというより、フォームを崩さない程度のスピードで泳ぐことを優先。また、独学スイマーのため、ネットの情報ではなく体系的に学べる本をメインに情報収集。海外Amazonで高評価だったSwim Speed Secrets for Swimmers and Triathletesという本を読んでストローク改善に注力、それなりにレベルアップできた(2021九十九里:42分→2022佐渡:36分)。英文だがkindleには翻訳機能があるためおすすめ。

あとは、睡眠時間も増やして最低7時間は確保(理想は8時間以上だが難しかった)、毎日3食バランスよく食べるなど、基本的なリカバリーを重要視して日々継続。

テーパリング・ピーキングについては、ボリュームは一週間前くらいから半減させる程度、トレーニングメニューも今年は丸々基礎期に充てるような気持ちでいたので高強度は増やさず、レースペースの確認をした程度。

宿について

5月ごろ宿を探し始めたが、既に出遅れのようでどこも満室。たまたま空いていた佐渡リゾート ホテル吾妻を見つけ、即予約。なかなかのお値段だったが、立地、設備、食事とも全てハイレベル。非常に良かった。教訓として、佐渡の宿探しはエントリー前からしておいた方が良いかもしれない。

バイク輸送について

TTバイクは輪行する気が起きないので、セントレアでも利用した自転車カンガルー便を利用。輪行箱もレンタルして往復2万円程度。

補給食について

体重1kg当たり3~6mgが適正量と言われるカフェインをT1で摂取、カフェイン半減期が4時間程度なのでT2で追加摂取するのがポイント。あとはシンプルにバイクはオリジナルドリンク、ランはピットインジェルのみ。

今回は1週間程度のカフェイン断ちで臨んだ。アルコールについても半年程度はほぼ断酒状態。

  • T1:メイタン・サイクルチャージ・カフェインプラス200(109kcal, カフェイン200mg)
  • バイク:800mlボトルにオリジナルドリンク480kcal(糖質120g)を仕込んでこれを2本で3時間分。
  • T2:メイタン・サイクルチャージ・カフェインプラス黒(109kcal, カフェイン100mg)
  • ラン:ピットイン エナジージェルを2本。20分おきに1本の半分を摂取。


機材編

基本的には重量よりエアロ重視です。

  • ウェア:Zone3 aeroforce x
  • ウェットスーツ:シロモトのセパレートのオーダー
  • バイク:Felt IA 10
  • ホイール:Comete Pro Carbon SL UST
  • タイヤ:イクシオン プロ UST
  • 空気圧:前後とも5.3bar程度
  • ヘルメット:Giro AeroHead
  • バイクシューズ:シマノ RC9
  • ランシューズ:アシックス メタスピードスカイ

ランシューズは最近はずっとメタスピードスカイだったが、今回のレースも含めてバイク後のランでは疲労のためピッチ重視、ヒール着地気味になる傾向があるため、次のレースからはメタスピードエッジにしても良いかもしれない。

レース直前

移動疲れを分散させるため、レース二日前の金曜に前泊で新潟駅へ移動、一泊して土曜9:40のジェットフォイルで佐渡入り。両津港近くでレンタカーを借り、昼飯の回転寿司(最高でした)によりつつ受付会場のアミューズメント佐渡へ。

受付完了後、レンタカーでBコースの下見へ(これは言っておいて非常に良かった)。ポイントとなりそうな登りの斜度や距離感を把握。

2時間半程度でコース下見終了後、会場近くのスーパーで買い物をして宿へ。宿でカンガルー便で届いていたバイクを組み立て、レンタカーへ積み込み。次の日も早いため18時に夕食(最高でした)、温泉に入って補給食等の準備を済ませ、21時過ぎに就寝。

レース当日は3:40起床、即着替えて宿の朝食を受け取り、会場へ車で向かいつつレース3時間前の4:30までに朝食完了。朝食はおにぎりを4つのみ。ここからスイムチェックの直前まで、オリジナルドリンク500ml(糖質80g 320kcal)を少しづつ飲み続ける。

会場近くの駐車場は既に満車で、少し離れたテニスコートに案内され車を駐車、バイクを組み立ててトランジションエリアへ。5:30頃までに選手最終登録を完了。

6:00頃にAタイプの選手がスタートしたのを見送り、日焼け止めとクラゲ避けを塗り込んでスイム試泳へ。

※今回チームメイトにアグレッシブデザインの日焼け止めを借りたが、酷暑のレースにも関わらずほぼ肌が痛くならなかった。次回は自分で買っていこうと思う。

スイム

スイムが一斉スタートのレースなので、予想タイムが30~40分の最前列からスタート。波はなく、クラゲもおらず、非常に泳ぎやすいコンディションだった。スイム序盤のバトルでゴーグルが外れるアクシデントがあったが、落ち着いてリカバリーでき、ほぼ予想通りの36:21(スイム順位56位)でスイムアップ。

バイク

T1でメイタン・サイクルチャージ・カフェインプラス200(109kcal, カフェイン200mg)を摂取してバイクスタート。

スタート直後、諏訪湖エイトピークスで感じた時のような臀部の痛みが発生(諏訪湖の時は10分程度その場で動けなかった)。非常にまずいと思いながらも、佐渡は今年のメインレース、かつこれだけトレーニングに時間を使って結果が悪ければ今後トレーニングに割く時間も減らそうかと考えていたため、不完全燃焼は避けるべく痛みに耐えながら我慢してペダルを踏む。

両津港まではほぼ平坦な道が続くため、FTPの78%程度の一定ペースを刻んでいると20kmくらいで臀部の痛みは引いていた。諏訪湖の時見たく立ち止まらなくて良かったと思う。

両津港を過ぎて島の外周に出ると、島特有のアップダウンが現れ始める。ただし、前日のコース下見でそれほど長い坂がないことはわかっていたので、全ての坂をFTP100~110%程度のダンシングで一気にクリア。最後は若干パワーが落ちたものの、予想より早い3:02:21(バイク順位3位)でバイク終了。

補給も想定通り3時間で960kcal程度のドリンクを丁度飲み干し、エイドは一回も立ち寄らず。

ラン

T2で靴下を履き、メイタン・サイクルチャージ・カフェインプラス黒(109kcal, カフェイン100mg)を摂取してカフェインを追加、ピットイン エナジージェル2本を手に持ってランスタート。

コースはコロナ禍のために変更され、一周7km程度の周回コースを3周回。コース上にほぼ日陰はなく、気温も30℃以上かつ湿度も80%以上で熱中症者多数のハードなコンディション。

ランスタート時から前に1名の選手が見えていたので淡々と追いかけ、1周目の折り返し後あたりで捕らえる。そのままの順位で商店街を抜けて二周目へ。

クソ程暑い中、一週目で抜いた選手に抜かれないことだけを考え、ペースを落とさぬよう高めのケイデンスを死守。エイドでは全て立ち止まり、水分補給と水を被って体の冷却を行う。

2周目折り返し時点で後続との距離が伸びていることを確認、自分さえペースが落ちなければこのまま行けると思い、無心でケイデンスを維持しながら3周目へ(ちなみにエリート選手も混じって走っていたため、ゴール直前まで着順がわかっていなかった。ペースを緩めないで本当に良かった)。

3周目はキロ5:00程度までペースが落ちる。エイドで立ち止まり、しっかり体を冷やす。この時点で着順はわかっていなかったが、コース上の人数的にもしかしたら上位狙えるかもと思い、これ以上垂れないよう最後までペースは死守。

最後の商店街の折り返しを抜け、フィニッシュゲートのある広場へ。この時ゴール前でBタイプ3位の選手が帰ってきましたとのアナウンス。まさか、聞き間違いでは?と思いながら1:39:45(ラン順位6位)でラン終了。

ゴール後、messengerの休日Ziwftタッグ練スレッドのメッセージで本当に総合3位だったことを知る(どうやらリアルタイムで実況応援していただいていたようです、ありがとうございます)。トライアスロンで総合はおろかエイジ入賞さえ経験してこなかったので、正直非常に嬉しかった。

ほぼミスやトラブルはなく今の時点で自分が発揮できる最高のパフォーマンスであったと思う。ただし、総合1位、2位と比べると完全に力負けしているのは事実、この人たちに追いつける日が来るのかはわからないが、もう少しこのままトレーニングを継続してみようと思う。

終わりに

今年の取り組みとして、低負荷トレーニング主体でボリュームを増やしたのが大きなポイントだと思う。長期的な目線で基礎構築から取り組み、今年はピークパフォーマンスは求めず丸々1年ベーストレーニング期に充てるくらいの気持ちで取り組んだ。その結果は予想以上で、ビルドフェーズを経ていないにも関わらずそれなりの結果を出すことができた。ベースの有酸素能力はまだまだ伸び代があると思うし、長距離レースはベース開発が何より大事だと実感できたので今後もベース有酸素能力の開発に注力していこうと思う。

バイクに関しては、パワーと巡航速度、写真を見る限りエアロフォームは改善の余地あり。骨盤が後転して腰にストレスがかかっているため、骨盤を前転させて腰をフラットにする練習が必要。頭の位置も高いので平素のトレーニングから頭の位置を下げる。フォームチェック用にwebカメラ的なものを買おう。

試行錯誤しながらトレーニングを組み立て、実行してきた成果が少しは出せたのではないか。暫く伸び悩んでいたが、辞めずに試行錯誤を継続してきて良かったと思う。大人になってからもこのような感情になれるトライアスロンは最高のスポーツだと思います。

まさか自分が総合入りするとは自分含め周りの人々の誰も考えていなかったと思うが、逆に言えば、学生時代真面目にスポーツに取り組んでこなかった社会人デビューのアスリートでも、日々の継続によってそれなりに戦えるようになるということが示たとも言える。この記事を読んでくださった方々のモチベーションに少しでも貢献できれば、それが今回結果を出せた一番の価値であると思う。

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