ガーミン製ランニングウォッチのミドルグレードであるForeathlete 245とエントリークラスのForeAthlete 55ですが、機能的にはそこまで大きく差がありません。
ForeAthlete 55はエントリーレベルの製品とはいえ、記録できるスポーツのモードや基本的なランニングの機能、アクティビティのトラッキングの性能といった面ではForeAthlete 245とほぼ同等の性能となっています。
ForeAthlete 45から55にアップグレードされたことで機能的差異が縮まったものの、いくつかの重要な機能差があり、特に「ForeAthlete 245はランニングウォッチに音楽を保存できる」、「ForeAthlete 245の方が高度なランニング分析が可能」という点においてはまだForeAthlete 245 (Music)の方が有利。
この記事では、ランニングウォッチ のベストセラーモデルであるForeAthlete 245とエントリーモデルのForeAthlete55の機能を比較し、どちらを買えば良いのかを検証していきます。
結論から言うと、「スマホ無しでの音楽再生」「トレーニングのより高度な分析」「事前に作成したコースを元にしたナビゲーション機能」に1.5万円の価値を感じるならForeAthlete 245 Musicを買うべきで、これらが不要であればForeAthlete 55で十分だと個人的に思います。
ForeAthlete 245とForeAthlete 55の機能比較
一般的な機能比較編
まずは基本的な機能の違いから見ていきましょう。
定価はForeAthlete 245が税抜き34,800円、ForeAthlete 55はForeAthlete 45と同じく24,800円とForeAthlete 55の方が一万円ほど安価。音楽再生機能のついたForeAthlete 245 Musicについては+5000円の価格設定となっていますので1万5000円の差となります。
対応するスポーツについては、両者ともにランニング、バイク、スポーツジムなどほぼ同じようなアクティビティが揃っています。ForeAthlete 55はスイムにも対応したため、使用シーンの幅が広がり245との差が縮まりました。
GPS + 光学心拍計使用時のバッテリー稼働時間についても、ForeAthlete 45が11時間だったのに対してForeAthlete 55は20時間と大幅に向上。ForeAthlete 245の22時間との差が2時間と大きく縮まったことで、ForeAthlete 55のコストパフォーマンスはかなり高くなったと感じます。ウルトラマラソンやロングツーリングなど長時間のスポーツにもForeAthlete 55が使用可能になりました。
スマホ無しでの音楽再生機能はForeAthlete 245 Musicというモデルのみ対応。価格は更にプラス5000円となりますが、スマホを持たずに音楽を聴きながら走れるのは想像以上にストレスフリー。近頃のスマホはサイズが大きく持ち歩きたくないため、私個人的にはマストな機能です。
コースナビゲーション機能についてはForeAthlete 245のみが対応。出張や旅行先などいろんな地方で走ることが多いのであれば245を選んだ方が便利だという点は変わらず。あらかじめ作成したランニングコースをForeAthlete 245に保存しておくことで、初めての道でもスマートフォンを取り出して地図を確認する必要が無くなります。
基本性能の比較からはForeAthlete 55のコストパフォーマンスが良くなったことが伺え、より万人に進めやすくなったという印象。
Model | ForeAthlete 245 | ForeAthlete 55 | ForeAthlete 45(参考) |
税別価格 | 34800円(musicは39800円) | 24800円 | 24800円 |
対応スポーツ | ラン/バイク/屋内スイム/スポーツジム | ラン/バイク/屋内スイム/スポーツジム | ラン/バイク/スポーツジム |
GPS | GLONASS/みちびき(補完信号)/Galileo対応 | GLONASS/みちびき(補完信号)/Galileo対応 | GLONASS/みちびき(補完信号)/Galileo対応 |
防水 | 50m | 50m | 50m |
バッテリー寿命 (GPS+光学 心拍計使用時) | 22時間 | 20時間 | 11時間 |
Body Batteryエネルギーモニター | 対応 | 対応 | 対応 |
ストレス測定 | 対応 | 対応 | 対応 |
スリープモニタ | 対応 | 対応 | 対応 |
活動量計(歩数など) | 有り | 有り | 有り |
オフラインでの 音楽再生機能 | 245 Musicのみ対応 | 非対応 | 非対応 |
音声アラート機能 ※スマホかBluetoothイヤホン要 | 無印/Music共に対応 | 対応 | 対応 |
スマホのミュージックコントロール | 対応 | 対応 | 対応 |
ガーミンPAY | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
SUICA | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
LiveTrack | 対応 | 対応 | 対応 |
グループLiveTrack | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
カラー地図 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
コースナビゲーション (事前に作成したコース) | 対応 | 非対応 | 非対応 |
カーナビのようなルート検索 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
周回コースの即時生成 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
事故検出 | 対応 | 対応 | 対応 |
ランニング機能比較編
続いてはランニング機能について。
結論から言うと、ランニングダイナミクスの計測やトレーニングがどれだけ効果的だったか、有酸素や無酸素などどの領域が鍛えられたかなどのより詳細なデータを求めるのであればForeAthlete245を選ぶべきです。ですが、ランニングのトレーニングで重要な心拍数、速度、距離のトラッキングに関してはForeAthlete 55と245で大きな差はないため、ForeAthlete 55を選んでも多くの場合満足できるのではないかと個人的には思います。
ランニングダイナミクス機能とは、ランニングに関するデータを計測し、自分のフォームを解析できる機能。別売りのランニングダイナミクスポッドをランニングパンツのウエストに装置することで、ケイデンス、ストライド、接地時間、左右のバランス、上下運動といった客観的なデータを取得することができます。
また、回復に必要な時間をアドバイスしてくれる「リカバリーアドバイザ」や、現在のパフォーマンスが普段のフィットネスレベルと比較してどの程度の状態であるかを数値で示す「パフォーマンスコンディション」、レーニングによるフィットネスレベルやパフォーマンスの変化を教えてくれる「トレーニングステータス」、エクササイズが有酸素や無酸素のどの領域に効いたかを示す「トレーニング効果」と言ったデータもForeAthlete245のみ対応となっています。
怪我せずきっちり追い込んで記録更新を狙いたいという人はForeAthlete 245を選んでも良いかもしれません。
ですが、この辺りの指標がランニングの能力向上に必須かと言われると、私はそうとは思いません。個人的意見としては、走行ペースと心拍数がわかってさえいれば十分ランニングのトレーニングは可能だと思います。
また、ForeAthlete 245のみ対応アクティビティにトレイルランが存在しますので、トレランもやるという人であれば245を選んでも良いかもしれません。ただし、ForeAthlete 245には気圧高度計が付いていないので、トレランがメインであれば気圧高度計を備えたForeAthlete 745のような上位機種を選んだ方が良いと個人的には思います。価格差も245 musicと745では1万円のため、245 musicを選ぶならもう少し頑張って745を選んでも良いのではないでしょうか。(ForeAthlete 245と745の比較記事はこちらからどうぞ)
Model | ForeAthlete 245 | ForeAthlete 55 | ForeAthlete 45(参考) |
対応アクティビティ | ランニング/トレッドミルラン/トラックラン/室内トラック/トレイルラン | ランニング/トレッドミルラン/トラックラン/室内トラック | ランニング/トレッドミルラン/室内トラックラン |
フッドポット | 対応 | 対応 | 対応 |
ランニングダイナミクス計測(要センサー) | 対応 | 非対応 | 非対応 |
ランニングパワー(要センサー) | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
VO2 MAX推定 | 対応 | 対応 | 対応 |
レース予測 | 対応 | 対応 | 非対応 |
リカバリアドバイザ | 対応 | 対応 | 非対応 |
トレイルランオートクライム | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
パフォーマンスコンディション | 対応 | 非対応 | 非対応 |
トレーニング効果 | 対応 | 非対応 | 非対応 |
トレーニングステータス | 対応 | 非対応 | 非対応 |
トレーニング負荷 | 対応 | 非対応 | 非対応 |
サイクリング機能比較編
続いてはサイクリング機能について。
サイクリング機能については両者ともほぼ同じ。
パワーメーター についてはForeAthlete 55、ForeAthlete 245共に非対応となっていますので、ストイックにパワートレーニングに取り組む際のサイコン代わりにも使いたいのであれば上位モデルのForeAthlete 745や945を選ぶと良いと思います。
Model | ForeAthlete 245 | ForeAthlete 55 | ForeAthlete 45(参考) |
対応アクティビティ | バイク/屋内バイク | バイク/屋内バイク | バイク/屋内バイク |
パワーメーター | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
スピードメーター ケイデンスセンサー | 対応 | 対応 | 対応 |
パワーメータTSS / NP / IF | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
Strava機能 (Beacon、 ライブセグメント) | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
事故検出 | 対応 | 対応 | 対応 |
スイム機能比較編
ForeAthlete 55がプールスイム機能に対応したことで、スイム機能面での両モデルの差異は無くなりました。ただし海で泳ぐオープンウォータースイムには非対応なので、トライアスリートであればForeAthlete 745以上のモデルを選ぶ必要があります。
Model | ForeAthlete 245 | ForeAthlete 55 | ForeAthlete 45(参考) |
プールスイム | 対応 | 対応 | 非対応 |
オープンウォータースイム | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
水中心拍数測定 | 対応 | 対応 | 非対応 |
屋内ドリルモード | 対応 | 対応 | 非対応 |
スイム効率測定(SWOLF) | 対応 | 対応 | 非対応 |
その他の機能
アウトドアアクティビティについてはForeAthlete245、55共に対応していません。もし登山やウィンタースポーツなどアウトドアアクティビティのログを残したいのであればForeAthlete 745、ForeAthlete 945もしくはInstinctといったモデル選んだ方が良いでしょう。
対応センサー一覧
最後に対応センサー類について。
これについても両者ともほぼ差がありません。ランニングがメインであればどちらのモデルを選んでも問題ないと言えます。
Model | ForeAthlete 245 | ForeAthlete 55 | ForeAthlete 45(参考) |
高度計 | GPS | 無し | 無し |
コンパス | 無し | 無し | 無し |
光学式心拍計 | 有り | 有り | 有り |
温度計 | 無し | 無し | 無し |
ANT+ 心拍計 | 対応 | 対応 | 対応 |
BLUETOOTH心拍計 | 対応 | 対応 | 対応 |
ANT+ スピード/ケイデンス | 対応 | 対応 | 対応 |
BLUETOOTHスピード/ケイデンス | 対応 | 対応 | 対応 |
ANT+ フッドポッド | 対応 | 対応 | 対応 |
BLUETOOTHフッドポッド | 対応 | 対応 | 対応 |
ANT+ パワーメータ | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
BLUETOOTHパワーメーター | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
ANT+ 照明制御 | 対応 | 非対応 | 非対応 |
ANT+ リアビューレーダ | 対応 | 非対応 | 非対応 |
SHIMANO Di2 | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
まとめ
ForeAthlete 55とForeAthlete 245のどちらを買うべきか?
最後に両機の特徴をまとめます。
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