ガーミンのGPSスポーツウォッチのForeAthleteシリーズは新旧含めてかなり多くのモデルがラインナップされているため、モデルごとの機能の差がわかりにくいですよね。
この記事では、ミドルグレードモデルのマルチスポーツウォッチであるForeAthlete 745と、ランニングウォッチのベストセラーモデルであるForeAthlete 245の機能を比較し、どちらを買えば良いのかを見ていきます。
結論から言うと、ランニング以外にも「トライアスロンをやっている、もしくは挑戦したい」「オーシャンスイムをやっている」「トレイルランも頻繁にやる」「Suica決済機能でトレーニング中の荷物を減らしたい」「パワーメータ付きの自転車に乗っている」「登山やスキーなどアウトドアアクティビティもログを取りたい」という人であれば、ForeAthlete 745を買うべき。機能の差異をみても価格差1万円を支払う価値はあります。
一方で、「あくまでランニングでの使用がメイン」「トライアスロンもやらないし、アウトドアアクティビティのロギングも不要」というのであれば、基本的なランニングウォッチの性能を全て満たしているForeAthlete 245で十分でしょう。
ForeAthlete 745とForeAthlete 245の機能比較
一般的な機能比較編
まずは基本的な機能の違いから見ていきましょう。
価格に関しては定価がForeAthlete 245が税抜き34,800円、ForeAthleteが44,800円とForeAthlete 245の方が定価ベースで1万円安いです。
対応するスポーツについては、ForeAthlete 245がランニング、バイク、プールスイム 、ジムアクティビティなのに対し、ForeAthlete 745はこれらに加え「マルチスポーツ」「アウトドアアクティビティ」に対応。マルチスポーツとは、ラップボタンを1回押すだけでスイムからバイク、バイクからランへと種目を切り替えることができる機能。この機能がForeAthlete 245には備わっていないため、トライアスロンレースでは使いにくい部分があります。
また、登山やスキー、SUPといったアウトドアアクティビティについてもForeAthlete 745のみが対応しています。
GPS + 光学心拍計使用時のバッテリー稼働時間については、ForeAthlete745が16時間なのに対してForeAthlete 245が22時間。ForeAthlete 245の方が稼働時間が長いですが、ForeAthlete745のバッテリー稼働時間でもトライアスロンのロングディスタンスに十分対応できるため、どちらのモデルを選んでも大抵のアクティビティには支障がないでしょう。
どちらのモデルも地図は内蔵していませんが、コースナビゲーションについては両者とも対応しています(コースナビゲーション機能:あらかじめガーミンコネクトやルートラボ等で作成したコースデータに基づいて、コースに沿った道案内を行ってくれる機能)。
Suica決済機能についてはForeAthlete 745のみが対応。定期券の購入はできませんが、財布やカードを保たずともガーミンで買い物できるのはかなり魅力的。小銭やカードを持ち歩かなくて良いのは745にしかないメリットです。
Model | ForeAthlete 245 | ForeAthlete 745 |
税別価格 | 34,800円 | 44,800円 |
対応スポーツ | ラン/バイク/屋内スイム/スポーツジム | ラン/バイク/スイム/マルチスポーツ/アウトドア/スポーツジム |
GPS | GLONASS/みちびき(補完信号)/Galileo対応 | GLONASS/みちびき(補完信号)/Galileo対応 |
防水 | 50m | 50m |
バッテリー寿命 (GPS+光学 心拍計使用時) | 22時間 | 16時間 |
Body Batteryエネルギーモニター | 対応 | 対応 |
ストレス測定 | 対応 | 対応 |
スリープモニタ | 対応 | 対応 |
活動量計(歩数など) | 有り | 有り |
オフラインでの 音楽再生機能 | 245 Musicのみ対応 | 対応 |
音声アラート機能 ※スマホかBluetoothイヤホン要 | 無印/Music共に対応 | 対応 |
スマホのミュージックコントロール | 対応 | 対応 |
ガーミンPAY | 非対応 | 対応 |
SUICA | 非対応 | 対応 |
LiveTrack | 対応 | 対応 |
グループLiveTrack | 非対応 | 対応 |
カラー地図 | 非対応 | 非対応 |
バーチャルパートナー | 対応 | 対応 |
コースナビゲーション (事前に作成したコース) | 対応 | 対応 |
カーナビのようなルート検索 | 非対応 | 非対応 |
周回コースの即時生成 | 非対応 | 非対応 |
ランニング機能比較編
続いてはランニング機能について。
結論からいうと、ランニングパワーやトレイルランオートクライム機能が不要であればランニング機能に差はありません。強いていうならSuica決済可能なForeAthlete 745の方がロングラン等で若干便利かという位。多くの人にとっては、ランニング用途ではどちらのモデルを選んでも不自由しないでしょう。
Model | ForeAthlete 245 | ForeAthlete 745 |
対応アクティビティ | ランニング/トレッドミルラン/室内トラックラン/トレイルラン | ランニング/室内トラックラン/トレッドミルラン/トレイルラン |
フッドポット | 対応 | 対応 |
ランニングダイナミクス計測(要センサー) | 対応 | 対応 |
ランニングパワー(要センサー) | 非対応 | 対応 |
VO2 MAX推定 | 対応 | 対応 |
レース予測 | 対応 | 対応 |
リカバリアドバイザ | 対応 | 対応 |
トレイルランオートクライム | 非対応 | 対応 |
サイクリング機能比較編
続いてはサイクリング機能について。
サイクリング機能については、マルチスポーツモデルであるForeAthlete 745の方が有利。昨今はパワーメーターの価格もこなれてきているため、パワーメーター対応のロードバイクに乗っている人も多いと思いますが、パワーメーター対応しているのはForeAthlete 745のみ。TSSやNP、IFといった詳細なデータまで確認できるため、ForeAthlete 745は視認性を除けばサイクルコンピューターに匹敵する機能を持ち合わせています。
個人的にはGarmin Edge 130 Plusあたりのリーズナブルなサイクルコンピューターと組み合わせて使用するのがオススメ。地図機能のないForeAthlete 745と地図を搭載したGarmin Edge 130 Plusの組み合わせることで、足りない機能を補完し合うことができます。トライアスロンのペーシングでは時計よりもサイクルコンピューターの方が断然使いやすいため、トライアスリート的にはこの組み合わせがオススメです。
Model | ForeAthlete 245 | ForeAthlete 745 |
対応アクティビティ | バイク/屋内バイク | バイク/屋内バイク/マウンテンバイク |
パワーメーター | 非対応 | 対応 |
スピードメーター ケイデンスセンサー | 対応 | 対応 |
パワーメータTSS / NP / IF | 非対応 | 対応 |
Strava機能 (Beacon、 ライブセグメント) | 非対応 | 対応 |
事故検出 | 対応 | 対応 |
スイム 機能比較編
スイム についてもForeAthlete 745の方が有利。プールスイムのみであればForeAthlete 245でもログデータを取得できますが、海でのオーシャンスイムのログデータ取得はForeAthlete 745のみが対応しています。
Model | ForeAthlete 245 | ForeAthlete 745 |
プールスイム | 対応 | 対応 |
オープンウォータースイム | 非対応 | 対応 |
水中心拍数測定 | 対応 | 対応 |
屋内ドリルモード | 対応 | 対応 |
スイム効率測定(SWOLF) | 対応 | 対応 |
その他の機能
アウトドアアクティビティはForeAthlete 745のみ対応。アウトドアスポーツ全般を嗜む人であればForeAthlete 745の方が活躍の場が広いでしょう。高度計についても、ForeAthlete 245はGPSからの推定なのに対してForeAthlete 745は気圧高度計を内蔵。より高精度な高度データを使用でき、昇降速度なども表示することができます。
ジムアクティビティについては機能的な差は無し。
Model | ForeAthlete 245 | ForeAthlete 745 |
マルチスポーツモード | 非対応 | 対応 |
アウトドア対応アクティビティ | 無し | ハイキング、スキー、スノーボード、バックカントリースキー、XCクラシック、スケートスキー、スタンドアップパドルボード、カヤック、ローイング |
気圧高度計 | 無し | 有り |
電子コンパス | 無し | 有り |
温度計 | 無し | 有り |
昇降速度 | 非対応 | 対応 |
狩猟/釣り/海洋データ | 無し | 有り |
スポーツジム対応アクティビティ | 筋トレ/カーディオ/Xトレーナー/ステッパー/室内ローイング/ヨガ | 筋トレ/カーディオ/Xトレーナー/ステッパー/フロアクライム/室内ローイング/ヨガ |
REPカウント | 対応 | 対応 |
対応センサー一覧
最後に対応センサー類について。
重要な違いとしては、サイクリングパワーメーター、ランニングパワーメーター、気圧高度計はForeAthlete 745だけが対応しているという点です。ランニングパワーについては現状それほど広まっていないと思うので、自転車をやる人にとってはパワーメーターの、登山やトレランをやる人にとっては気圧高度計の要否でモデルを選ぶと良いでしょう。
Model | ForeAthlete 245 | ForeAthlete 745 |
高度計 | GPS | 気圧 |
コンパス | 無し | 有り |
光学式心拍計 | 有り | 有り |
温度計 | 無し | 有り |
ANT+ 心拍計 | 対応 | 対応 |
BLUETOOTH心拍計 | 対応 | 対応 |
ANT+ スピード/ケイデンス | 対応 | 対応 |
BLUETOOTHスピード/ケイデンス | 対応 | 対応 |
ANT+ フッドポッド | 対応 | 対応 |
BLUETOOTHフッドポッド | 対応 | 対応 |
ANT+ パワーメータ | 非対応 | 対応 |
BLUETOOTHパワーメーター | 非対応 | 対応 |
ANT+ 照明制御 | 対応 | 対応 |
ANT+ リアビューレーダ | 対応 | 対応 |
SHIMANO Di2 | 非対応 | 対応 |
まとめ
ForeAthlete 245とForeAthlete 745のどちらを買うべきか?
ランニング以外にも「トライアスロンをやっている、もしくは挑戦したい」「オーシャンスイムをやっている」「トレイルランも頻繁にやる」「Suica決済機能でトレーニング中の荷物を減らしたい」「パワーメータ付きの自転車に乗っている」「登山やスキーなどアウトドアアクティビティもログを取りたい」という人であれば、ForeAthlete 745を買うべき。機能の差異をみても価格差1万円を支払う価値はあります。
一方で、「あくまでランニングでの使用がメイン」「トライアスロンもやらないし、アウトドアアクティビティのロギングも不要」というのであれば、基本的なランニングウォッチの性能を全て満たしているForeAthlete 245で十分でしょう。
自転車もやっているトライアスリート的には、ForeAthlete 745 + Edge 130 Plusで機能を補完し合うのがコスパが良くオススメです。
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