ガーミンのGPSマルチスポーツウォッチのForeAthleteシリーズは新旧含めてかなり多くのモデルがラインナップされているため、モデルごとの機能の差がわかりにくいですよね。
この記事では、マルチスポーツウォッチ のベストセラーモデルであるForeAthlete 945と、機能を制限してコストを抑えたForeAthlete 745の機能を比較し、どちらを買えば良いのかを見ていきます。
結論から言うと、「どんなに長くても16時間以上のログは不要」「地図も時計で確認することはない」「マルチスポーツ対応のトライアスロンウォッチを少しでも低価格で手にしたい」「Suica決済機能でトレーニング中の荷物を減らしたい」という人にとってはForeAthlete745がベストバイ。地図とバッテリー以外の機能はForeAthlete 945と同等です。
一方で、「数日の縦走や数日に渡るレースでも使いたいのでバッテリー寿命は長いほど良い」「詳細な地図を時計で確認したい」というのであれば、ForeAthlete 945を選ぶべき。
ForeAthlete 745とForeAthlete 945の機能比較
一般的な機能比較編
まずは基本的な機能の違いから見ていきましょう。
価格に関しては定価がForeAthlete 945が税抜き69,800円、ForeAthleteが44,800円とForeAthlete 745の方が定価ベースで2.5万円安いです。
対応するスポーツについては、両者ともにランニング、バイク、スポーツジムなどほぼ同じようなアクティビティが揃っています。
GPS + 光学心拍計使用時のバッテリー稼働時間については、ForeAthlete745が16時間なのに対してForeAthlete 945が32時間となっているため、エクストリーム系の長距離マラソン競技や数日に渡る縦走、ブルベなど、長時間のスポーツに使用するにはForeAthlete 945の方が有利。そうは言っても、ForeAthlete745のバッテリ寿命でもトライアスロンのロングディスタンスに十分対応できるため、トライアスリート的にはForeAthlete 745のスペックで十分だとは思います。
地図についてはForeAthlete 945のみが対応していますので、出張や旅行先などいろんな地方で走ることが多いのであれば945を選んだ方が便利かもしれません。ただ、コースナビゲーションについては両者とも対応しているため、詳細な分岐などの情報は不要であればForeAthlete 745でも問題ありません（コースナビゲーション機能：あらかじめガーミンコネクトやルートラボ等で作成したコースデータに基づいて、コースに沿った道案内を行ってくれる機能）。
逆に、Suica決済機能についてはForeAthlete 745のみが対応。定期券の購入はできませんが、財布やカードを保たずともガーミンで買い物できるのはかなり魅力的。小銭やカードを持ち歩かなくて良いのはForeAthlete 745にしかないメリットです。
基本性能ではForeAthlete 945がバッテリーと地図の面で有利ですが、個人的には価格差2.5万円分の価値があるかと言われると微妙な所だと思います。
しかし、充電で時計を外している間はライフログが取得できないし、いざトレーニングするときにバッテリーが足りないとトレーニングログが残せないため、データに基づいて日々のトレーニングを管理している身としてはバッテリーの充電頻度が少なくて済むForeAthlete 945の恩恵は受けています。
| Model | 945 | 745 |
| 税別価格 | 69,800円 | 44,800円 |
| 対応スポーツ | ラン/バイク/スイム/マルチスポーツ/アウトドア/スポーツジム | ラン/バイク/スイム/マルチスポーツ/アウトドア/スポーツジム |
| GPS | GLONASS/みちびき（補完信号）/Galileo対応 | GLONASS/みちびき（補完信号）/Galileo対応 |
| 防水 | 50m | 50m |
| バッテリー寿命 (GPS+光学 心拍計使用時) | 32時間 | 16時間 |
| Body Batteryエネルギーモニター | 対応 | 対応 |
| ストレス測定 | 対応 | 対応 |
| スリープモニタ | 対応 | 対応 |
| 活動量計(歩数など) | 有り | 有り |
| オフラインでの 音楽再生機能 | 対応 | 対応 |
| 音声アラート機能 ※スマホかBluetoothイヤホン要 | 対応 | 対応 |
| スマホのミュージックコントロール | 対応 | 対応 |
| ガーミンPAY | 対応 | 対応 |
| SUICA | 非対応 | 対応 |
| LiveTrack | 対応 | 対応 |
| グループLiveTrack | 対応 | 対応 |
| カラー地図 | 対応 | 非対応 |
| バーチャルパートナー | 対応 | 対応 |
| コースナビゲーション (事前に作成したコース) | 対応 | 対応 |
| カーナビのようなルート検索 | 対応 | 非対応 |
| 周回コースの即時生成 | 対応 | 非対応 |
ランニング機能比較編
続いてはランニング機能について比較していきます。結論からいうと、ランニング機能に差異はありません。どちらを買ってもGARMINランニングウォッチの全機能をフル活用できます。Suicaが使える分だけ、日々のランニングでは745が有利ともいえます。
| Model | 945 | 745 |
| 対応アクティビティ | ランニング/室内トラックラン、/トレッドミルラン/トレイルラン | ランニング/室内トラックラン、/トレッドミルラン/トレイルラン |
| フッドポット | 対応 | 対応 |
| ランニングダイナミクス計測(要センサー) | 対応 | 対応 |
| ランニングパワー（要センサー） | 対応 | 対応 |
| VO2 MAX推定 | 対応 | 対応 |
| レース予測 | 対応 | 対応 |
| リカバリアドバイザ | 対応 | 対応 |
| トレイルランオートクライム | 対応 | 対応 |
サイクリング機能比較編
続いてはサイクリング機能について。
サイクリング機能についても両者とも同等の性能。パワーメータにも対応してTSS/NP/IFなども表示可能なため、サイクルコンピューター並みの性能を備えています。サイクルコンピューターに比べれば視認性は劣りますが、表示項目を絞ればレース中のペーシングに使えないこともないです。
個人的にはGarmin Edge 130 Plusあたりのリーズナブルなサイクルコンピューターと組み合わせて使用するのがオススメ。地図機能のない745と地図を搭載したGarmin Edge 130 Plusの組み合わせることで、足りない機能を補完し合うことができます。トライアスロンのペーシングでは時計よりもサイクルコンピューターの方が断然使いやすいため、トライアスリート的にはこの組み合わせがオススメです。
| Model | 945 | 745 |
| 対応アクティビティ | バイク/屋内バイク/マウンテンバイク | バイク/屋内バイク/マウンテンバイク |
| パワーメーター | 対応 | 対応 |
| スピードメーター ケイデンスセンサー | 対応 | 対応 |
| パワーメータTSS / NP / IF | 対応 | 対応 |
| Strava機能 （Beacon、 ライブセグメント） | 対応 | 対応 |
| 事故検出 | 対応 | 対応 |
スイム 機能比較編
スイム についても機能差はありません。ForeAthlete 745のコスパの良さが伺えます。
| Model | 945 | 745 |
| プールスイム | 対応 | 対応 |
| オープンウォータースイム | 対応 | 対応 |
| 水中心拍数測定 | 対応 | 対応 |
| 屋内ドリルモード | 対応 | 対応 |
| スイム効率測定(SWOLF) | 対応 | 対応 |
その他の機能
アウトドアアクティビティについても機能差は無し。両者とも気圧高度計を持っているため、登山やトレランなどのアクティビティには使いやすいです。
ジムアクティビティについても機能差は無し。
| Model | 945 | 745 |
| マルチスポーツモード | 対応 | 対応 |
| アウトドアアクティビティ | ハイキング/登山/スキー/スノーボード/XCスキー/SUP/ローイング/カヤック | ハイキング、スキー、スノーボード、バックカントリースキー、XCクラシック、スケートスキー、スタンドアップパドルボード、カヤック、ローイング |
| 気圧高度計 | 有り | 有り |
| 電子コンパス | 有り | 有り |
| 温度計 | 有り | 有り |
| 昇降速度 | 対応 | 対応 |
| 狩猟/釣り/海洋データ | 有り | 有り |
| ジムアクティビティ | 筋トレ/カーディオ/Xトレーナー/ステッパー/フロアクライム/室内ローイング/ヨガ | 筋トレ/カーディオ/Xトレーナー/ステッパー/フロアクライム/室内ローイング/ヨガ |
| REPカウント | 対応 | 対応 |
対応センサー一覧
最後に対応センサー類について。
これについても両者ともほぼ差がありません。主要なセンサ類は全て対応しているため、ランニング、サイクリングの両方に問題なく使用可能です。
| Model | 945 | 745 |
| 高度計 | 気圧 | 気圧 |
| コンパス | 有り | 有り |
| 光学式心拍計 | 有り | 有り |
| 温度計 | 有り | 有り |
| ANT+ 心拍計 | 対応 | 対応 |
| BLUETOOTH心拍計 | 対応 | 対応 |
| ANT+ スピード/ケイデンス | 対応 | 対応 |
| BLUETOOTHスピード/ケイデンス | 対応 | 対応 |
| ANT+ フッドポッド | 対応 | 対応 |
| BLUETOOTHフッドポッド | 対応 | 対応 |
| ANT+ パワーメータ | 対応 | 対応 |
| BLUETOOTHパワーメーター | 対応 | 対応 |
| ANT+ 照明制御 | 対応 | 対応 |
| ANT+ リアビューレーダ | 対応 | 対応 |
| SHIMANO Di2 | 対応 | 対応 |
まとめ
ForeAthlete 745とForeAthlete 945のどちらを買うべきか？
「16時間以上のログは不要」「時計で詳細な地図確認することはない」「マルチスポーツ対応のトライアスロンウォッチを少しでも低価格で手にしたい」「Suica決済機能でトレーニング中の荷物を減らしたい」という人はForeAthlete745を選ぶべき。ForeAthlete 745で十分必要機能は満たせるでしょう。
一方で、「数日の縦走や数日に渡るレースでも使いたいのでバッテリー寿命は長いほど良い」「バッテリー充電頻度は少ない方が良い」「バッテリー切れによる日々のトレーニングログのロストを最小限にしたい（TSS管理の観点でデータは必ず残したい）」「詳細な地図を時計で確認したい」というのであれば、ForeAthlete 945を選ぶべき。
個人的にはズボラな性格なので、バッテリー充電頻度が少なく済むForeAthlete 945に満足していますが、オールナイトのレースなどは考えていないので差額を考えると745でも良かった気もします。945には無いSuicaも魅力的。
これから買うのであれば、トライアスリート的にはForeAthlete 745 + Edge 130 Plusで機能を補完し合うのがコスパが良くオススメです。
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