サイクルコンピューター業界のデファクトスタンダードの地位を確立しているGARMIN Edgeシリーズのエントリーモデルである「Edge 130」が「Edge 130 Plus」へと進化しました!
ここで気になるのが、上位機種でありベストセラーモデルでもあるEdge 530とどのような差があるのかと言う点ですよね。この記事では、Edge 530とEdge 130 Plusにどんな差があるのか?そしてどちらを買うのが正解なのか?についての個人的な考察を紹介します。
EDGE 130 Plusが進化した点
最初にEDGE 130が130 Plusに進化して何が変わったかについて少し触れておきます。
このアップデートでの大きな変更点の一つに、これまで上位機種でしか使えなかったClimb Proと言う機能が使えるようになったことが挙げられます。
Climb Proについて簡単に説明すると、クライム中の勾配変化や残り平均斜度をグラフと数値で表示し、ヒルクライムのペース配分をアシストしてくれる機能です。
また、加速度計が追加されたことでMTBダイナミクスにも対応したことや、上位機種と同様にTrainig PeaksやTrainerroadなどとのトレーニングプランの同期も可能に。将来的なファームアップデートでスマートトレーナー との連動も可能になる予定なので、インドアトレーニング派にも使いやすいサイクルトレーナーとなりました。また、事故を検出して登録された緊急連絡先にアラートを送信する機能も追加されるなど、多くの機能が追加されています。
Edge 530と130 Plusのどちらが買いか?
続いては両モデルについてどのような人が買うべきか、結論を先に述べておきます。
Edge 130 Plusを買うべき人
FTP自動計測やサイクリングダイナミクスなど高度な分析機能が不要で、サイクリングのナビゲーションも曲がる場所がわかる簡易的なものでよければ、費用を抑えられるGarmin Edge 130 Plusで良いかと思います。定価で1.7万円の価格差は大きいですからね。
Edge 530で評価の高いクライムプロも実装されているため、詳細なデータ分析機能が不要であれば130 Plusで十分満足できるのではないでしょうか。
また、GarminのGPSウォッチであるForeAthleteシリーズを持っているトライアスリートのサイコンとしても130 Plusはおすすめです。腕時計でもGPSログやライドデータの分析は可能ですが、腕時計は走っている最中に非常に見にくいので、モニター用にサイクルコンピューターが欲しいと言う場合もあるでしょう。このような場合には簡易ナビやパワー等のデータ表示用として、安価な130 Plusを割り切って使うのがコストパフォーマンスが高いと思います。
Edge 530を買うべき人
ただし、Edge 530と130 Plusの価格差に見合った性能差は確実に存在します。レース思考な人や頻繁にライドする人にとってはバッテリー持続時間や詳細な地図の表示、FTP自動計測やTSS、NPの表示などの性能差に1.7万円分以上の価値は確実にあります。週末は確実にライドの予定を入れているくらいどっぷり自転車にハマっているのであれば、数十グラムの軽量化にこだわらない限り、少し頑張ってEdge 530を購入することをおすすめします。
私の結論は以上です。続いては、Edge 530と130 Plusの違いについて詳細に見ていきましょう。
Edge 530とEdge 130 Plusの違いについて
基本性能比較
まずは基本性能の違いについて見ていきましょう。
まず初めに当然ながら価格はエントリーモデルの130 Plusが有利で、価格差は定価で17,000円となっています。そこそこ大きな差ですね。
また、重量についてはEDGE 130 PlusはEDGE 530の約半分となっています。グラム単位で軽量化にこだわっているクライマーにはEDGE 130 Plusの方が重量面では魅力でしょう。
続いては画面の違いについて。サイズはEDGE 530の方がやや大きく、EDGE 530がカラー、130 Plusはモノクロとなっています。視認性はEDGE 530に軍配が上がります。
また、EDGE 530は日本の道路地図が内蔵されているのに対し、130 Plusは地図が入っていません。このため、スマホからダウンロードしたコースに沿ってナビゲーションする場合、郊外のコースの様に道がわかりやすい場合には地図なしの130 Plusでも十分ですが、市街地など細かい分岐が多い場合には、EDGE 530の方が道を間違う可能性は低いでしょう。
バッテリーついてはEDGE 130 PLUSが最大13時間なのに対してEDGE 530は最大20時間と、倍近く長寿命となっています。ブルベ等の長距離ライドに使うのであれば、長寿命なEDGE 530を選択するべきでしょう。
その他細かい点ですが、EDGE 130 Plusは電動シフトであるShimano Di2に非対応です。現在のギアやバッテリ残量をサイコンで確認したいのであればEDGE 530を選択してください。
詳細な比較表は下記の通りです。
項目 | EDGE 530 | EDGE 130 PLUS |
本体価格(税別) | 37,800円 | 20,800円 |
本体サイズ | 50 x 82 x 20 mm | 41 x 63 x 16 mm |
重量 | 75.8 g | 33 g |
ディスプレイ | 40 x 52 mm | 27 x 36 mm(対角 45mm) |
解像度 | 246 x 322(カラー) | 303 x 230 ピクセル |
使用電池 | 充電式リチウムイオンバッテリー | 充電式リチウムイオン |
稼働時間 | 最大20時間 | 最大 13 時間 |
防水性能 | IPX7 | IPX7 |
GPS性能 | GPS/みちびき(補完信号)/GLONASS/Galileo | GPS/みちびき(補完信号)/GLONASS/Galileo |
内蔵地図 | 日本詳細道路地図(CityNavigator Plus)自転車道入り | × |
ナビゲーション機能 | ○(デバイス上での目的地検索不可) | ○(デバイス上での目的地検索不可) |
ルート(コース) | 100 | 30 コース |
保存可能件数 | 最大200時間(標準使用時) | 最大100時間分 |
Connect IQ | ○ | ○ |
無線インターフェース | Wi-Fi / Bluetooth / ANT+ | Bluetooth / ANT+ |
高度計 | 気圧高度計 | 気圧高度計 |
温度計 | ○ | ○ |
パワーメーター対応 | ANT+ / Bluetooth | ANT+ / Bluetooth |
心拍計対応 | ANT+ / Bluetooth | ANT+ / Bluetooth |
スピード、ケイデンスセンサ | ANT+ / Bluetooth | ANT+ / Bluetooth |
Shimano DI2対応 | ○ | × |
VARIAリアビューレーダー対応 | ○ | ○ |
VARIAライト対応 | ○ | ○ |
ライド中の機能比較
続いて、ライド中に使用できる機能について比較していきます。
下の表を見てわかる様に、Live Trackや事故検出、Climb ProにSTRAVAセグメントなど、ライド中に使用できる機能に大きな機能差はありません。パワーメーターを使用していてTSSやNPを常にモニタリングしたいと言う要望がない限り、130 Plusでも機能的には十分であると言えます。
基本性能編で述べた様に、ナビゲーション時に地図が見たいかどうかでどちらを選ぶかが決まるかと思います。個人的にはライド中の機能としては130 Plusでも十分だと思っています。
項目 | EDGE 530 | EDGE 130 PLUS |
Live Track | ○ | ○ |
Group Track | ○ | × |
事故検出 | ○ | ○ |
CLIMBPRO | ○ | ○ |
パワーメーター対応 | ○ | ○ |
STRAVAライブセグメント | ○ | ○ |
パワーメーターTSS / NP / IF | ○ | × |
自動ポーズ/自動ラップ | ○ | ○ |
バーチャルパートナー | ○ | ○ |
天気データ受信 | ○ | ○ |
消費カロリー | ○ | ○ |
パフォーマンス分析機能比較
最後に、ライド後のデータ分析機能について比較していきます。
下の表を見てわかる様に、データ分析機能においては明らかにEDGE 530の優位性が高いです。
パフォーマンスコンディション、トレーニング効果などの各種データは、これまでのトレーニング内容に果たして効果があったのか、どの様なコンディションの時に力が発揮できていたのかなどを分析する上で大事なデータになってきます。FTP自動計測についても、わざわざシンドイFTP計測を改まってやる必要がなくなると言う点で便利な機能です。
ただ、これらの機能は競技志向ではないライダーにとっては無用のデータとも言えるので、大会の結果にこだわらないのであればEDGE 530までの機能は必要ないかもしれません。また、ForeAthlete 945など詳細なデータ分析機能を持っているGPSウォッチを持っている場合には機能がオーバーラップしますので、EDGE 530の優位性が少し低くなるでしょう。
そうは言っても、自分がどれだけ成長できたのかを知ることができるのは自転車に乗るモチベーションの一つに十分なりえますので、競技志向でない人にとってこれらのデータが全く無駄と言う訳ではありません。楽しんで乗っているだけでも自分の能力が上がっているのが分かれば、自転車に乗るのが更に楽しくなります。懐事情に余裕があるのであれば、是非ともEDGE 530を検討してみてください。
項目 | EDGE 530 | EDGE 130 PLUS |
VO2MAX自動計測 | ○ | ○ |
リカバリーアドバイザー | ○ | ○ |
MTBダイナミクス | ○ | ○ |
FTP自動計測 | ○ | × |
サイクリングダイナミクス | ○ | × |
パフォーマンスコンディション | ○ | × |
ストレススコア | ○ | × |
トレーニング効果 | ○ | × |
まとめ
まとめると、ナビゲーションの地図やデータ分析、バッテリー面を妥協できるのであれば130 Plus、ForeAthleteを持っていて安価なナビ付きサイコンを検討している場合にも130 Plus、そうでなければ少し予算を上乗せしてEDGE 530を検討すると良いかと思います。
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