ガーミンのForeAthlete 245とVivoactive 4はどちらも優れたスマートウォッチですが、機能的に似た部分が多くどちらを買うべきか判断に迷う人も多いのではないでしょうか。
この記事ではForeAthlete 245とVivoactive 4の機能を比較し、それぞれの特徴と、どちらを選ぶべきなのかを検証していきます。
ForeAthlete 245とVivoactive 4の機能比較
一般的な機能比較編
まずは基本的な機能の違いから見ていきましょう。
価格：両機とも同等
ForeAthlete 245が税抜き34,800円、音楽再生対応のForeAthlete 245 Musicは税抜き39,800円なのに対し、Vivoactive 4は税抜き39,800円。Vivoactive 4にも音楽再生機能が付いているので、価格面では同等です。
対応スポーツ：Vivoactive 4の方が幅広い。245はランニング分析に注力。
対応するスポーツについてはゴルフとアウトドアスポーツ（ウインタースポーツやSUPなど）がVivoactive 4のみ対応となっているため、色々なスポーツをマルチに楽しむ人にはVivoactive 4が合っているかと思います。
ForeAthlete 245は主にランニングに重点を置き、Vivoactive 4よりも詳細なトレーニング分析が可能なモデルなので、普段の運動はランニングがメインという人にはForeAthlete 245の方が合っていると思います（詳細はランニング機能編で後述）。
バッテリー稼働時間：245の方がやや優秀
GPS + 光学心拍計使用時のバッテリー稼働時間については、ForeAthlete 245が22時間なのに対してVivoactive 4は18時間。245の方が若干長持ちするものの、使用上はほぼ両機とも問題にならないレベルでしょう。
スマートウォッチモードでも245が7日間、Vivoactive 4が5日間と245の方がやや長持ちしますが、両機ともスマートウォッチとしては優秀な部類ですので実用上は問題にならないかと思います。
音楽再生機能：245 MusicとVivoactive 4の両方が対応
時計本体へ音楽を保存する機能についてはVivoactive 4とForeAthlete 245 Musicが対応しています。無印のForeAthlete 245については音楽再生非対応で、Musicより価格が5000円低く設定されています。
近頃のスマホはサイズが大きく持ち歩きたくないため、音楽再生機能は私個人的にはマストな機能。
スマホを持たずに音楽を聴きながら走るというのはかなりストレスフリーな体験ですので、個人的には245を選ぶランナーであればMusic対応モデルを推します。
音声アラート機能：ForeAthlete 245のみ対応
音声アラート機能とは、ランニング時のラップ毎に平均ペースや心拍数などのデータを音声で読み上げてくれる機能です。この機能はForeAthlete 245 (無印/Music両方とも)のみが対応しています。
逐一時計をチラ見する必要が無くなるため、ランニングメインであれば245の方が満足度が高いと思います。
コースナビゲーション：ForeAthlete 245のみ対応
コースナビゲーション機能とは、事前にPCやスマホから作成した走行コースを読み込んでおくことで、カーナビのような道案内をしてくれる機能です。この機能についてはForeAthlete 245のみが対応。
出張や旅行先などいろんな地方で走ることが多いのであれば245を選んだ方が便利でしょう。あらかじめ作成したランニングコースをForeAthlete 245に保存しておくことで、初めての道でもスマートフォンを取り出して地図を確認する必要が無くなります。
非接触型決済機能：Vivoactive 4のみ対応
SUICAやGARMIN PAYといった非接触型決済機能についてはVivoative 4のみが対応しています。
ランニング中に財布やSUICAなどを持たなくて良いというのはVivoactive 4の大きな強みだと言えるでしょう。
基本性能の比較からは、「ランナー：ForeAthlete 245」「ゴルフやアウトドアスポーツなど他のスポーツもカジュアルに楽しむ：Vivoactive 4」という棲み分けになっていることが伺えます。
| Model | ForeAthlete 245 | Vivoactive 4 |
| 税別価格 | 34800円/39800円(Music対応モデル) | 39800円 |
| 対応スポーツ | ラン/バイク/屋内スイム/スポーツジム | ラン/バイク/屋内スイム/アウトドア/スポーツジム |
| GPS | GLONASS/みちびき（補完信号）/Galileo対応 | GLONASS/みちびき（補完信号）/Galileo対応 |
| 防水 | 50m | 50m |
| バッテリー寿命 (GPS+光学 心拍計使用時) | 22時間 | 18時間 |
| Body Batteryエネルギーモニター | 対応 | 対応 |
| ストレス測定 | 対応 | 対応 |
| スリープモニタ | 対応 | 対応 |
| 活動量計(歩数など) | 対応 | 対応 |
| オフラインでの 音楽再生機能 | 245 Musicのみ対応 | 対応 |
| 音声アラート機能 ※スマホかBluetoothイヤホン要 | 無印/Music共に対応 | 非対応 |
| スマホのミュージックコントロール | 対応 | 対応 |
| ガーミンPAY | 非対応 | 対応 |
| SUICA | 非対応 | 対応 |
| LiveTrack | 対応 | 対応 |
| グループLiveTrack | 非対応 | 非対応 |
| カラー地図 | 非対応 | 非対応 |
| コースナビゲーション (事前に作成したコース) | 対応 | 非対応 |
| カーナビのようなルート検索 | 非対応 | 非対応 |
| 周回コースの即時生成 | 非対応 | 非対応 |
| 事故検出 | 対応 | 対応 |
ランニング機能比較編
続いてはランニング機能について。
対応ランニングアクティビティ：245の方が優秀
ランニング、トレッドミル（ランニングマシン）、屋内トラックについては両機とも対応していますが、屋外でのトラックランとトレイルランについてはForeAthlete 245のみ対応となっています。
トラックラン機能とは、トラックでの距離測定やGPSトラッキングをより正確に行うことができる機能です。通常のランニングモードでトラックを走ると走行軌跡がズレたり距離が正確に測れないことが多いので、普段400mトラックで練習する機会の多いランナーであればForeAthlete 245の方を強く推します。
また、ForeAthlete 245のみ対応アクティビティにトレイルランが存在しますので、トレランもやるという人であれば245を選んでも良いかもしれません。
ただし、ForeAthlete 245には気圧高度計が付いていないので、トレランがメインであれば気圧高度計を備えたForeAthlete 745のような上位機種を選んだ方が良いと個人的には思います。
価格差も245 musicと745では１万円のため、245 musicを選ぶならもう少し頑張って745を選んでも良いのではないでしょうか。(ForeAthlete 245と745の比較記事はこちらからどうぞ)
ランニングダイナミクス：245のみ対応
ランニングダイナミクス機能とは、ランニングに関するデータを計測し、自分のフォームを解析できる機能。別売りのランニングダイナミクスポッドをランニングパンツのウエストに装置することで、ケイデンス、ストライド、接地時間、左右のバランス、上下運動といった客観的なデータを取得することができます。
ランニングダイナミクスについてもForeAthlete 245のみが対応。もしランニングダイナミクスのデータに基づいてランニングの改善をしていきたいのであれば、245を選んでおいた方が良いでしょう。
トレーニング分析機能：245の方が充実
回復に必要な時間をアドバイスしてくれる「リカバリーアドバイザ」や、現在のパフォーマンスが普段のフィットネスレベルと比較してどの程度の状態であるかを数値で示す「パフォーマンスコンディション」、トレーニングによるフィットネスレベルやパフォーマンスの変化を自動認識する「トレーニングステータス」、エクササイズが有酸素や無酸素のどの領域に効いたかを示す「トレーニング効果」直近7日間のトレーニング量が最適な範囲にあるかを判断できる「トレーニング負荷」と言ったデータについてはForeAthlete245のみ対応となっています。
| Model | ForeAthlete 245 | Vivoactive 4 |
| 対応アクティビティ | ランニング/トレッドミルラン/トラックラン/室内トラック/トレイルラン | ランニング/トレッドミルラン/室内トラックラン |
| フッドポット | 対応 | 対応 |
| ランニングダイナミクス計測(要センサー) | 対応 | 非対応 |
| ランニングパワー（要センサー） | 非対応 | 非対応 |
| VO2 MAX推定 | 対応 | 対応 |
| レース予測 | 対応 | 非対応 |
| リカバリアドバイザ | 対応 | 非対応 |
| トレイルランオートクライム | 非対応 | 非対応 |
| パフォーマンスコンディション | 対応 | 非対応 |
| トレーニング効果 | 対応 | 非対応 |
| トレーニングステータス | 対応 | 非対応 |
| トレーニング負荷 | 対応 | 非対応 |
サイクリング機能比較編
続いてはサイクリング機能についてですが、サイクリング機能については両者ともほぼ同じとなっています。
パワーメーターについてはForeAthlete 245、Vivoactive 4共に非対応となっていますので、ストイックにパワートレーニングに取り組む際のサイコン代わりにも使いたいのであれば上位モデルのForeAthlete 745や945を選ぶと良いと思います。
| Model | ForeAthlete 245 | Vivoactive 4 |
| 対応アクティビティ | バイク/屋内バイク | バイク/屋内バイク |
| パワーメーター | 非対応 | 非対応 |
| スピードメーター ケイデンスセンサー | 対応 | 対応 |
| パワーメータTSS / NP / IF | 非対応 | 非対応 |
| Strava機能 （Beacon、 ライブセグメント） | 非対応 | 非対応 |
| 事故検出 | 対応 | 対応 |
スイム機能比較編
両モデルともプールでのスイムを記録できますが、ForeAthlete 245のみ屋内ドリルモード対応となっています。
また、海で泳ぐオープンウォータースイムには非対応なので、トライアスリートであればForeAthlete 745以上のモデルを選ぶ必要があります。
| Model | ForeAthlete 245 | Vivoactive 4 |
| プールスイム | 対応 | 対応 |
| オープンウォータースイム | 非対応 | 非対応 |
| 水中心拍数測定 | 対応 | 対応 |
| 屋内ドリルモード | 対応 | 非対応 |
| スイム効率測定(SWOLF) | 対応 | 対応 |
アウトドア、ジムアクティビティ機能比較
対応アクティビティ
Vivoactive 4はウインタースポーツやSUPといったアウトドアスポーツや、エリプティカルトレーニング（クロストレーナー）、フロアクライミング、ピラティスなど幅広いアクティビティに対応。
また、筋トレの動作やヨガ、ピラティスのフォームを時計の画面から確認できる「動画ワークアウト機能」についてもVivoactive 4のみが対応となっています。
ランニング以外のスポーツも幅広く趣味とし、それらのアクティビティの記録が必要であればVivoactive 4を選んだ方が良いかと考えます。
| Model | ForeAthlete 245 | Vivoactive 4 |
| マルチスポーツモード | 非対応 | 非対応 |
| 対応アウトドア アクティビティ | 無し | スキー、スノーボード、XCスキー、スタンドアップパドルボート、ボート、屋内ボート |
| 気圧高度計 | 無し | 有り |
| 電子コンパス | 無し | 有り |
| 温度計 | 無し | 無し |
| 昇降速度 | 非対応 | 非対応 |
| 狩猟/釣り/海洋データ | 無し | 無し |
| 対応ジムアクティビティ | 筋トレ/カーディオ/Xトレーナー/ステッパー/室内ローイング/ヨガ | 筋トレ/有酸素トレーニング/エリプティカルトレーニング/階段ステップ/フロアクライミング/室内ローイング/ヨガ/ピラティス/ブレスワーク |
| 動画ワークアウト | 非対応 | 対応 |
| REPカウント | 対応 | 対応 |
ゴルフ機能
ゴルフアクティビティについてはVivoactive 4のみが対応しています。ゴルフアクティビティの記録が必要な場合にもVivoactive 4を検討する価値があるかと思います。
| Model | ForeAthlete 245 | Vivoactive 4 |
| グリーンまでの距離 | 非対応 | 対応 |
| レイアップ/ドッグレッグまでのヤード数 | 非対応 | 対応 |
| ショット距離を測定 | 非対応 | 自動 |
| デジタルスコアカード | 非対応 | 対応 |
| 追跡開始（ストローク数、ラウンド毎パット数、グリーン・フェアウェーヒット数） | 非対応 | 対応 |
| Garmin AutoShot | 非対応 | 対応 |
| マニュアルピンポジションのグリーンビュー | 非対応 | 対応 |
| ハザードおよびコースターゲット | 非対応 | 対応 |
| ピンポインター | 非対応 | 対応 |
| ラウンドタイマー/走行距離計 | 非対応 | 対応 |
| 自動クラブ追跡に対応 | 非対応 | 対応(要互換アクセサリ) |
対応センサー一覧
最後に対応センサー類について。
高度を測定する気圧高度計についてはVivoactive 4のみが対応しています。これにより、Vivoactive 4の方が正確に高度の上昇、下降を測定することができます。ForeAthlete 245についてはGPSデータに基づいた高度表示となるため、精度が低くなります。
獲得標高などの指標が重要である場合や、階段昇降のデータが重要である場合にはVivoactive 4を検討しても良いかと思います。
| Model | ForeAthlete 245 | Vivoactive 4 |
| 高度計 | GPS | 気圧 |
| コンパス | 無し | 有り |
| 光学式心拍計 | 有り | 有り |
| 温度計 | 無し | 無し |
| ANT+ 心拍計 | 対応 | 対応 |
| BLUETOOTH心拍計 | 対応 | 対応 |
| ANT+ スピード/ケイデンス | 対応 | 対応 |
| BLUETOOTHスピード/ケイデンス | 対応 | 対応 |
| ANT+ フッドポッド | 対応 | 対応 |
| BLUETOOTHフッドポッド | 対応 | 対応 |
| ANT+ パワーメータ | 非対応 | 非対応 |
| BLUETOOTHパワーメーター | 非対応 | 非対応 |
| ANT+ 照明制御 | 対応 | 対応 |
| ANT+ リアビューレーダ | 対応 | 対応 |
| SHIMANO Di2 | 非対応 | 非対応 |
まとめ
ForeAthlete 245とVivoactive 4のどちらを買うべきか？
最後にどちらのモデルを選んだ方が良いかをまとめます。
- より優れたバッテリー寿命が必要な人
- ランニング中の音声指示が必要な人
- より多くのトレーニング指標やランニングアクティビティの詳細な分析が必要な人
- 陸上トラックでトレーニングすることが多いランナー
- 初めてのコースでも迷わないようにルートに従ってナビゲーションする機能が欲しい人
- もしトレイルランやトライアスロンにも興味があるのであれば、プラス1.5万円でForeAthlete 745を選択肢に入れてみても良いかも(ForeAthlete 245と745の比較記事はこちらからどうぞ)
- 細かいランニングのデータ指標までは不要なので、ゴルフやアウトドアスポーツ、ジムアクティビティなどでより多くのアクティビティを記録したい人
- SUICA機能（非接触型決済機能）が欲しい人（より気軽にランニングしたい人）
- 正確な獲得標高や階段の昇降情報が必要だという人
老舗企業GARMINの製品なだけあって、両モデルともスマートウォッチとしては優秀なモデルです。本記事を参照して個人の好みに合ったモデルを選んでいただければ幸いです。
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