アドベンチャーレーサーの田中陽希氏が「グレートトラバース2~日本2百名山ひと筆書き~」で使用した軽量ザックCaelus 35(カイルス35)を購入したので、選んだ理由や使用感をレビューして行きます!
ファストパッキング用の軽量ザックを購入しようと思った理由
私はサラリーマンのため、山に行けるチャンスはそれほど多くありません。
そのため、装備を軽量化して限られた時間でより長い距離を楽しむことができる、ファストパッキングでのスピードハイク登山スタイルを試してみようと思ったことがきっかけです。
ザックの選考基準
過度な軽量化はせず、ベースウェイト5kg台ほどを快適に背負えるザックという基準で選びました。
ツェルトや夏用のシュラフを使えばベースウェイト4kg台を達成できますが、夏用の物を追加で買い揃えるのはお金がかかりすぎます。
手持ちのダブルウォールテントや3シーズンシュラフを使い回そうとするとどうしてもベース5kgは超えてしまうため、このような基準としました。
ザックを軽量化し、嵩張る自炊道具、食材は行動食、非常食、朝食のアルファ米のみとすることで全体的な軽量化を狙いました。
カイルス35を購入して良かった点
背負い心地の良さ
ファストパッキング向けの軽量ザックは背面のフレームがないフレームレスのザックが多いです。
このようなザックですと、ベースウェイトが5kgを超えてくると肩への負担が大きく、登山の後にどうしても肩が張ってしまっていました。
一方、カイルス35はアルミフレームが入っているため、トラディショナルなザックと同じように腰へしっかり荷重分散され、ベースウェイト5kg台でも非常に快適に背負うことができました!
私と同じように、ストックシェルターなどで過度な軽量化を狙わないのであれば良い選択肢になるのではないでしょうか。
背面ベンチレーションが快適
ファストパッキングではスピードが早い分体の発熱量も通常の登山より多くなりがちです。
カイルス35は背面が通気性の高いトランポリン状になっており、熱がこもらず汗抜けがかなり良いと感じました。
フレームレスザックですと、どうしても背中側に熱が籠りがちになって汗でびちゃびちゃになってしまいます。
使い勝手を全く犠牲にせず軽量化している
ファストパッキング系のザックの中には、快適性や使い勝手を犠牲にして軽量化をしているモデルも多いです。
一方、カイルス35は使い勝手は損なわずに軽量化しているバランスの良いザックであると感じました。
例えば、フロントにはジッパーのない大型のドロップポケットがあり、頻繁に着脱するウィンドブレーカーやレインウェアはとりあえずここに放り込んでおくことができたため、体温調節のためのウェア着脱のストレスを軽減することができました!
また、雨蓋にはポケットだけでなくレインカバーポケットとレインカバーも完備されています。
カバーは別売りだと地味に高いため、ついているに越したことはありません。ファストパッキング系のザックにはついていないことが多いです。
両サイドにはストレッチの効いた大容量のサイドポケットもあり、ボトルだけでなくザックに収まらない物を適当に放り込んでおくこともできました。
ポールやアックスを取り付けるためのアタッチメントも標準装備されています。
メインの収納スペースへサイドからアクセスできる大きなジッパーもあり、ザックのそこの方にあるものへもストレス無くアクセスすることができました!
このように、機能や使い勝手をほとんど犠牲にせずに軽量化しているため、トラディショナルなザックに慣れていても全く違和感なく使用することができると感じました!
カイルス35の気になる点
同じような容量のザックのなかでは高価
定価が税込25920円とやや高価なのがネックですね。ですが非常に汎用性・完成度の高いザックですので、購入して後悔はしていません。満足です。
ガッツリトレランしたい人には向かない
走った時の揺れなさや密着感はベスト型のランニングパックなどと比較すると劣るため、行程の多くをガッツリトレランしたい方はFP HYBRIDなどのベスト型ザックを選んだ方が良いかと思います。
トレランというよりスピードハイク向きかと感じました。
ただ、全然走れないかというとそうではなく、平地や下りなど走りやすいところだけ走るスタイルであれば問題なさそうだと感じました。
ヒップベルトのポケットが少し小さい
5インチスマホやコンデジがギリギリ入るくらいの大きさだったため、もう少し大きければ良いなーと感じました。補給食を入れておく分には問題ないです。
耐久性が心配
軽量化のためにボトム以外の素材が70デニールと薄いため、耐久性にはやや不安があります。
まあこのザックに限らず、ファストパッキング系のザック全般に言えることですが・・・
ファストパッキング用ザックのラインナップの中ではやや重い
最近のファストパッキング用ザックは1kg未満のモデルが多くあるため、それらと比べてしまうとスペック上の重量は劣ってしまいます。
しかし、しっかりした背面フレームにより荷重分散させることができるというアドバンテージは重量以上に大きいと感じます。
特に、ウルトラライトほど軽量化できない場合には大きなアドバンテージがあると思います。
また、一般的なフレーム入りザックとしては十分に軽量です。私が以前使っていたカリマーのリッジ30と比較しても400g(およそ3ジーンズシュラフ一個分)程度軽いため、ファストパッキング用途としては十分だと思います。
まとめ
ファストパッキング系ザックの中でも背負い心地、快適性、使い勝手の良さが秀でており、バランスの良い優秀なザックでした。少し高かったですがカイルス35を購入して良かったと思っています。
私と同じように、過度な軽量化は狙わずスピードハイクを楽しみたい方や、単純にザックを軽くして楽に登山したい方にはおすすめです!是非検討してみてください!
ちなみに、実際に北アルプスでファストパッキングに挑戦した時の記事が以下になります。もし興味あればどうぞ!
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