チェストストラップ(胸ベルト)タイプの心拍センサーが必要な理由とPolar H10のレビュー

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光学式心拍計を持っていましたが、チェストストラップ(胸ベルト)タイプの心拍センサーの必要性を感じ、Polar H10を導入しました。この記事では、胸ベルトタイプ心拍計の必要性と、Polar H10を購入した理由、その使用感をレビューします。

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チェストストラップタイプの心拍センサーを買った理由

私はガーミンの光学式心拍センサーを搭載したGPSウォッチであるForeAthleteを愛用していますが、この度改めて胸ベルトタイプの心拍センサーを購入しました。購入に至った経緯は下記の通り。

短時間高負荷のインターバル(HIIT)トレーニングで適切な負荷をかけるのに光学式心拍センサーは不向き

「VO2max領域を鍛える高負荷のHIITのトレーニングの質を上げたい」というのが、胸ベルト式心拍計を改めて購入した一番の理由です。短時間インターバルで狙った負荷を確実にかけるためには、低遅延かつ高精度な心拍計が必要であり、この点においては現在でも光学式よりチェストストラップ心拍計の方が有利です。

低〜中程度の負荷でのトレーニングであれば、ランニングならペース、自転車ならパワーをモニタリングすることで狙った負荷はかけやすいし、トレーニングインターバルの時間も長いため、心拍計の追従性がある程度悪くても問題にはなりません。数十分単位でのトレーニングに対して数十秒程度のラグが発生してもほぼ問題はないため、光学式タイプの心拍計のみで十分でしょう。

しかし、光学式心拍計で問題となってくるのがVO2maxインターバルといったHIITに取り組む場合。VO2max領域を狙って鍛えるためには、VO2maxというのは生理学的なプロセスであるため、ある特定のパワー(スピード)をターゲットにするのではなく、心拍数や主観的運動強度(RPE)をターゲットにしてトレーニングする必要があると言われています。

具体的に言うと、効果的にVO2maxを改善するためには、最大心拍: HRmax(もしくは予備心拍: HRR)の90%付近にできるだけ長い時間滞在できるようなインターバルトレーニングする必要があると言われています(RPEなら9/10以上:かなりハード)。つまり、心拍数をモニターして心拍数がHRmaxの90%付近まで上がるような負荷をかけたインターバルトレーニングが必要。

しかし、心拍数のモニター値に数十秒単位のラグが生じてしまうと、負荷がVO2maxを刺激するのに足りているのかの判断が遅れてしまうため、短時間のインターバルでは適切な負荷を調整するのが難しいです。

光学式心拍計だと、その仕組み上どうしても反応の速さはチェストストラップ式に劣ります。DC rainmakerのような海外レビューサイトのデータセットを見ると、高負荷インターバルでは胸ベルト式と光学式では20~30秒程度の遅延が発生するようです。

赤がチェストストラップタイプ(HRM Dual)、青が光学式タイプ(ForeAthlete945)

そのため、VO2maxインターバルのような高負荷トレーニングを適切に行うためには、実際の心拍数に対してほぼ遅延が発生しない、トラディショナルなチェストベルト式の心拍計がほぼ必須であると言えるでしょう。

また、心拍数が最大心拍に近づけば近づくほど、その精度というのは大事(最大心拍付近では数bpm違うだけでもキツさがかなり違います)。少しでも高精度に心拍数をモニターしたいのであれば、胸ベルト式の心拍計を導入した方がベター。

このような理由から、光学式心拍計を持っているにもかかわらず、クラシックなチェストベルトタイプの心拍計を導入しました。

スマホとBluetooth接続するため

ガーミンForeAhthlete 945は心拍数をサイコンやPCに飛ばせるのですが、通信がant+のみとなっています。私はバイクトレーニングの場合、PCでZwift、スマホでTrainerroadというアプリを同時起動してトレーニングしていますが、スマホ側でant+を受信できないため、起動しているTrainerroadに心拍データが記録できない問題がありました。

スマホ側のアプリに心拍データを取り込むにはBluetooth対応の心拍計が必要だったため、Bluetooth対応の胸ベルト式心拍計を購入することにしました。

Polar H10を選んだ理由と使用感

ant+とデュアルBluetooth通信に対応

ant+に対応しているため、当然手持ちのGarmin ForeAthleteに接続できます(Polarの時計じゃなくても大丈夫です)。

また、通常だとBluetoothは1対1の接続しかできませんが、Polar H10はデュアルBluetoothに対応しているため、最大で2台の機器と同時接続が可能。スマホとタブレット、タブレットとPCなど、2台の機器にBluetooth接続ができます。私は複数のデバイスを同時に立ち上げてトレーニングすることが多いため、デュアルBluetoothは重宝しています。

心拍計メーカーとしての信頼

Polarは元々医療系の心拍計メーカーとして始まったブランドであるため、心拍計測の信頼性は他メーカーより高いです。海外レビューサイトではPolar H10が比較の基準として頻繁に登場しています。トレーニングの指標となる値が正確であるに越したことはないので、精度重視でPolarの心拍計を選びました。

高負荷のHIITで使用してみましたが、急なパワーの上げ下げにも値が暴れることなく綺麗に追従してくれるため、心拍を指標としたインターバルの負荷調整が非常にやり易くなりました。

ピンクがパワーで赤が心拍数

ベルトの装着性が高い

安価な心拍計と違い、ベルトを装着した時の違和感はほぼありません。また、ベルトには円形の滑り止めがついているため、ランニング中にズレることもなく快適に使用できました。

滑り止めのおかげでランニング中でもズレ落ちる心拍がないのは良い点

頻繁に使用するものなので、多少高くても快適に使えるPolar H10を選ぶのは良い選択だと思います。

また、多くの心拍センサーではベルトが取り外せますが、ガーミンの一部のセンサーではベルトとセンサーが分離できないタイプもあるため、ベルトが取り外せて洗えるというのも重要なポイントでした。

ファームのアップデートによる機能向上、精度向上が期待できる

Polar H10はスマホのアプリからファームのアップデートが可能なので、将来的な機能改善、または新しい機能の追加が期待できるのもポイントです。

水泳でも使用可能

Polar H10は内部メモリーにトレーニングを保存可能なので、接続する機器を持ち歩かなくても単独使用。更に、
5kHzトランスミッションにより水中でも心拍数を測定できるため、スイムアクティビティ中の心拍数を記録することができます。

ガーミンのForeAthleteシリーズでもスイム中の心拍計測が可能とはなりましたが、光学式心拍センサーであるため、スイム中の心拍計測の精度はイマイチ(明らかに心拍数が高く計測されているように感じます)。スイム中の心拍を測定可能なセンサーは限られているため、Polar H10がスイムに対応しているのは嬉しいポイントでした。

Polar H10の欠点

欠点はやや高価であること。しかし、着け心地の良さ、信頼性、デュアルBluetooth、ファームウェアのアップデートによるアルゴリズム改善なども期待できることを考えると、多少高価でもPloar H10を選ぶのは後悔のない選択だと思います。トレーニングの指標となる値が間違っているとせっかくのトレーニングが非効率になる可能性があるため、測定器の正確さにコストをかけるのは大切。

胸ベルト式心拍計は装着が一手間となるため、気軽なジョグや流しのローラーでは今まで通りGarminのForeAthlete、ハードなHIITセッションではPolar H10という使い分けでしばらくはトレーニングしていきます。

サイズが2種類あるため、購入の際は注意してください。ストラップ長がXS-S(51〜66cm)、M-XXL(65〜93cm)となっています。私は身長173cm、体重60kgでM-XXLが使えています。

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