長距離かつスタート直後の負荷が低いようなレースではあまり問題になりませんが、レース時間が短くレース開始直後からゴールまで一貫して強度が高いZWIFTレースにおいて、ウォーミングアップは非常に重要な要素です。
しかし、ウォーミングアップの有用性やどうやったら良いのかがわからず、なおかつ手軽に参加できてしまうZWIFTレース故、ウォーミングアップを軽視している人も少なく無いのではないでしょうか。
この記事では、ウォーミングアップの目的と効果、ZWIFTレースにおける具体的なウォーミングアップのやり方について示していきます。
ウォームアップの目的
その1 筋肉温度の上昇
ウォーミングアップの名前の通り、体をウォーム(暖める)させることが第一の目的です。
筋温を十分に上昇させることで酸素の取り込み能力や酸素の利用能力、そして神経信号の伝達速度が高まると言われています。
筋肉は温度が38度前後で最大のパフォーマンスを発揮でき、通常10~15分程度の軽い負荷でのアップでこれを達成することができると言われています(外気温が高すぎる場合はこの限りではない)。
また、きっちりとウォームアップで体温を高めておくとスタート直後の心肺数の立ち上がりが早くなります。
通常だと高負荷がかかってから数十秒程度遅れて心拍数が上がっていくため、心拍が追従するまでのタイムラグが発生します。このタイムラグが発生している間は酸素やエネルギー源を活用できず、疲労が蓄積する原因となります。
ウォーミングアップをしっかりやっておくと心拍が追従するまでのタイムラグを減らすことができ、これを防ぐことができます。
その2 活動後増強による筋力および筋パワー向上
高強度のウォーミングアップを行うことで「活動後増強(Post-activation potentiation:PAP)」という現象が起こり、一時的に筋肉の出力が増加します。レース前に10~20秒程度のもがきを数回程度行っておくと、本番で同程度のパワーを出すのが楽になります。
ただし、高強度のウォーミングアップの直後は疲労が残っているため、パフォーマンスが一時的に低下します。10分程度経過すると疲労回復して活動後増強の効果が現れるため、レース開始までの時間を逆算してウォームアップするようにしましょう。
ZWIFTレースに向けたウォームアップの具体的なやり方
ウォームアップを15分、休憩を10分とし、遅くともレース開始の25分前にはログインしてウォームアップを開始しましょう。
筋温の上昇と活動後増強効果を狙った具体的なウォームアップメニューは次のようになります。
・会話できる程度の軽負荷で10分間
・スプリント30秒/レスト30秒×4セット
・10分間の休憩(暖めた体を冷やさないように注意する)
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