効率的なロードバイクトレーニングのためにはパワーメーターが必須ですが、パワーメーターはとても高価なため手が出ない方も多いと思います。
パワーメーターの代わりに心拍計を運動強度の指標にすることができますが、運動強度が大きくなってくると心拍数が追従するまでのラグが大きくなったり、体調によって心拍数が変化してしまいます。
つまり、心拍計では高強度領域における正確な運動強度をタイムリーに得ることが難しいといった問題があります。
そこで、私が普段のローラー台トレーニングで行っている、パワーメーターをスピードメーターで代用したゾーントレーニングの方法を紹介します。
前提知識:ゾーントレーニングについて
トレーニング時の運動強度によって得られる効果は異なります。
そのため、トレーニングで狙った効果を得るためには運動強度をいくつかのゾーンに分けたゾーントレーニングが有効です。
運動強度を5つのゾーンに分けた場合、それぞれの特徴は以下のようになります。
ゾーン1(ウォームアップ領域)
最大心拍数の60%付近の運動です。回復走などがこの領域の運動になります。
ゾーン2(ライト領域・LSD)
30分〜3時間の間持続可能な運動強度です。最大心拍数の70%付近の運動となります。
ゾーン2で数時間運動するLSDトレーニングを行うことで持久力向上の効果が見込めます。
ゾーン3(モデレート領域・メディオ)
5分〜30分間の間持続可能な運動強度です。最大心拍数の80%付近の運動となります。
ゾーン3を20分×3セットといったメディオトレーニングによりスピード持久力の向上が見込めます。
ロードバイクにおいて一番重要なトレーニングです!
ゾーン4(ハード領域・ソリア)
90秒〜5分間の間持続可能な運動強度です。最大心拍数の90%付近の運動となります。
ゾーン4を3分×5セットといったソリアトレーニングによりスピードの向上が見込めます。
ゾーン5(マックス領域)
10秒から90秒間持続可能な運動強度です。最大心拍数の100%付近の運動となります。
ゾーン5でのスプリントトレーニングにより最大スピードの向上が見込めます。
パワーメーターをスピードメーターで代用する方法
この方法は室内でのローラー台トレーニング限定です。
通常の野外トレーニングの場合、斜度や風向き等の外的要因が存在するため、スピードをゾーントレーニングの指標にすることはできません。
しかし、ローラートレーニングの場合はタイヤの空気圧とローラー台負荷を常に一定の値にしておくことでスピードとパワーの相関性を保つことができるため、スピードを基準にしたゾーントレーニングが可能となります。
以下に手順を記します。
手順1
タイヤの空気圧とローラー台の負荷を記録する。トレーニング時には空気圧と負荷を毎回この条件に合わせる。
手順2
5分間走(3分間維持できるギリギリの強度で5分間)を行い、立ち上がりの一分間を覗いた平均速度を算出する。
手順3
十分なレストを挟んでもう一度5分間走を行って平均速度と平均速度を算出し、2本の平均値をゾーン4の目標速度とする。
片方が明らかに追い込めていない場合はもう一度行うか別の日にやり直す。
手順4
手順3で求めたゾーン4の目標速度の90%をゾーン3の目標速度に、80%をゾーン2の目標速度に、70%をゾーン1の目標速度にする。
このようにして各ゾーンの目標スピードを算出することができます。
トレーニングを積むことで同じゾーンで出せるスピードが向上していくため、適宜5分間走を行って目標スピードを更新してください。
速度だけでなく心拍の平均値も一緒に算出しておくと、より高精度なゾーントレーニングが可能となります。
私の場合、各ゾーンの指標となる速度と心拍数をエクセルにまとめ、画面に映し出しながらローラー台トレーニングに活用しています。
良かったら日々のトレーニングの参考にしてみてください。
追記
ZWIFTを使えば自動的にスピードメーターの値をワットに計算してくれます!
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