昨今はロードバイクのトレーニングに関する様々な情報がインターネット上に流れています。
そのため、指導者のいないアマチュアアスリートの場合、「HIITが一番時間効率が良い」「SSTが一番美味しいトレーニングだ」といったようなネット上の断片的なトレーニング情報を元にトレーニングトレーニングをしている人が多いかと思います。
しかし、ネット上でオススメされているメニューにしっかりと取り組んでいるにも関わらず、中々バイクの出力(FTP)が上がらず速く走れるようにならないと悩んでいる人も少なからずいるのではないでしょうか。
他人の勧める情報を鵜呑みにして同じ練習を繰り返しても効果は薄い
私はまさにそのようなトレーニングをしている一人でした。以前はネットで独学で調べた断片的な知識を元にトレーニング内容を考えて練習を積んできましたが、思うように出力を上げることができてきませんでした。
一例としては、トレーニングを高負荷と低負荷に二極化させて中強度練習の頻度を下げるPolarized Trainingが従来のLTベースのトレーニングよりもよりも効果的であるという情報を元に、週2回高負荷インターバル(Vo2max 3分×3分×5本)を行いその他の練習を半年ほど繰り返してきました。
しかし、半年後のFTP測定はなんと半年前とほぼ変わらずという結果に。それなりに時間を割いてトレーニングに取り組んできたので、この結果にはショックを受けました。
強度が足りないのか、それとも基礎的な有酸素能力が足りていないのか、自分では経験が乏しく判断がつかない。加えて、20代の頃には考えもしなかった「本気で競技に取り組める時間はそう長くはない」という時間的な制約も感じ始め、これ以上無駄なトレーニングをしている余裕はないという焦燥感が日々大きくなっていきました。
このままではダメだと思い、トレーニングのやり方について体系的な知識を得るべく海外の情報を読み漁っていたところ、見つけたのが海外のTRAINERROADというサイクリスト向けサービスのヘッドコーチであるChad Timmermanのブログ。
https://blog.trainerroad.com/how-6-cyclists-raised-their-ftp-by-82-on-average/
そこには、レース前の半年ほどを基礎フェーズと強化フェーズ、専門フェーズに分けてメニューを組むといった体系的なトレーニング計画の必要性、私が軽視してきたテンポやSST(Sweet Spot Training)領域で乗り込む基礎トレーニングの重要性、そして半年間(24〜28週間)のトレーニングの結果としてFTPが50%以上向上した例がいくつも載っていました。
特筆すべきは、FTP向上に成功した例がプロではなくアマチュアアスリートだという点。みんな仕事があり、限られた時間の中で結果を出せたのは体系化されたトレーニング計画と時間効率の高いトレーニングメニューのおかげだと思います。
私に必要なのは、断片的な情報に頼ってトレーニングすることではなく、大局的な視点を持ってトレーニング計画を作成し、実行することすることでした。
体系化されたトレーニング計画の重要性
本職を別に持ちながら競技に取り組むアマチュアアスリートにとって、トレーニングに費やせる時間はそう多くはないですよね。練習に使える時間を最大限に活用したいのであれば、TRAINERROADのヘッドコーチであるChad Timmermanコーチが言うように「体系的な」トレーニング計画を立てて実行することが一番大切です。
体系的なトレーニング計画を作成する際の期分け方法は色々とありますが、TRAINERROADが推奨しているのは
- 基本的なサイクリングスキルやエンデュランス能力、強固なフィットネスの基盤を構築する基礎期(Base Phase)
- 筋肉の持久力と機能的閾値パワーを高めることに注力する強化期(Build Phase)
- 参加するレースに合わせて能力を微調整、ピーキングしていく専門期(Specialty Phase)
の順番にトレーニングするような計画を作成する方法です。基礎期では効率的に有酸素能力を高められるSSTやテンポを中心とし、強化期や専門期に進むにしたがって筋持久力や閾値パワーを伸ばすインターバルなどを増やしていく計画が時間効率が最も良いトレーニング計画だそう。
つまり、SSTやHIITといったネット上に流れてくる断片的なワークアウトは、適切なタイミングで組み合わせてこそ意味のあるものになるということです。何も考えずにただネット上の情報を鵜呑みにしてトレーニングを重ねても狙った効果を得ることはできません。
例えば、手っ取り早くFTPを上げるために、基礎期をすっ飛ばしてインターバルメインで練習に取り組んでも中々狙った効果は出ません(→私です)。下手すれば、貴重なトレーニング時間をただ疲れるために使っていた、ということにもなりかねません(→私です)。
近頃はHIITなどの高負荷トレーニングが注目されていますが、貴重な時間を無駄にしたくなければ、一見地味で遠回りのように思える基礎期(Base Phase)のトレーニングを適切な量だけ積んだ上で強化期(Build Phase)へ進む必要があると言うことです。
体系的なトレーニングプランの作成方法
アスリートが体系的なトレーニングを実施する方法はいくつかありますが、最も一般的な方法はプロコーチにお金を払ってトレーニングプランを作成してもらうことです。余裕がある方であればこの方法が一番間違いがないですが、多くのアマチュアアスリートには時間的にも経済的にもそこまでの余裕はないかと思います。
次に考えられるのが、トレーニング計画のテンプレートをオンラインで購入することです。これはプロコーチに依頼するよりは安上がりとなりますが、自身の目標やフィットネスレベルに合わせて作られているものではないと言った欠点があります。
一番費用対効果が高いのはやはり自分の目標やフィットネスレベルに合わせたプランを自分自身で作成することです。しかし、どんなメニューをどのタイミングでどれだけこなしたら時間効率を最大化できるのかを判断できるアスリートは中々いないかと思います。
自分で色々調べて計画を立てるにしても、何が正解なのかは自分で判断する必要がありますし、体系的な知識も中々出回っておりません。更に、自分の目標や能力に合わせてアレンジする必要もあります。
これらを素人判断で計画に落とし込んでいくのは中々骨が折れますし、何よりその計画が正しいのかどうかもやってみないとわかりません。計画に失敗すると貴重なシーズンを無駄にしてしまう可能性もあります。
そんな時に有用なのがTRAINERROADのトレーニングシステムです。
TRAINERROADとは
TRAINERROADとはサイクリスト向けのオールインワントレーニングシステムを提供するサービスです。
主要な機能としては、「目標に合わせたトレーニングプランの自動生成機能」と、「パワーメーターやスピードメーターの情報を画面にリアルタイム表示しながら、作成したプランのトレーニングメニューを行えるワークアウト機能」になります。
このトレーニングプランを自動生成する機能を使うと、トレーニング可能な曜日とその強度、計画の開始日、目標とするレースの種類と日程(優先順位をつけて複数登録可能)を選択するだけで、設定に基づいて自動的にトレーニングがカスタマイズされます。
サイクリストだけでなくトライアスリート向けのプランも作成可能で、トライアスロンレースを最重要レースに設定するとスイムやランのトレーニングメニューも自動的にスケジュールに追加されます。
私は半年後のロングディスタンスのトライアスロンレースに向けてプランを作成しましたが、SSTやテンポ、インターバル、ブリックトレーニングなどの様々なメニューがバランス良く組み合わされたメニューが生成されました。
基礎フェーズではテンポとSSTが多めで、強化フェーズや専門フェーズではテンポとインターバルが多くなっていく印象です。ロングやブリックは適切な頻度で適宜組み込まれているようです。
SSTやテンポと言った各メニューについても強度やインターバル間隔、ワークアウトの時間のバリエーションが非常に多彩なため、全く同じメニューを繰り返す訳ではなく体が刺激に慣れたりマンネリする心配もなさそうです。
独学だとここまで多彩なメニューを適切なメニューを組み合わせ、体系的な計画を作成するのは現実的ではないでしょう。
時間はないけど結果を出したいアスリートにとってはTRAINERROADは非常に強力な武器となるのではないかと思います。
TRAINERROADについては別の記事で詳しく書く予定です。
コメント
ブログを読ませていただいてトレーニングロードを導入しました!
一つ教えていただきたいのですが、ランプテストのときにFTPは目標値にするのですが、それとも現状値でしょうか?
現状値だとランプテストが最後まで完了しても最大で現状値にしかならず更新しないのではないかと思ってます。
ランプテストでは限界が来て踏めなくなるまで永遠にパワーが上がり続けたと思うので、現状のFTPを設定しておいて大丈夫だと思います。
注意点として、ランプテストは5分パワーが強い方だとFTPが上振れする可能性があるので、メニューが完遂できない場合には20分テスト等長めのテストから算出したFTPを設定してみてください。
永遠に上がり続けるんですね。。
デスマーチか。
ありがとうございます!